ようやく映画「マイ・ブックショップ」を観に行ってきました。「これは私の映画になる!」という思いはある意味で裏切られ、ある意味で期待以上の作品でありました。
物語の舞台は、1959年イギリスの小さな田舎町。未亡人のフローレンスがこの町に小さな書店を開くために奮闘します。ところが、お店兼住居として選んだ物件はある意味での「訳あり」でした…。
いちばん好きだったシーン。自分の「夢の書店」ができて、フローレンスは堪えきれずにひとりご満悦!
フローレンスを支援する読書が趣味の孤独な変わり者をビル・ナイが演じます。しわくちゃのおじいさんになっても背筋がピンと伸びていて、長い手足で颯爽と歩く姿が素敵すぎます。こんなお年寄りに私はなりたい。
ブックショップのアルバイトになったのは、ちいさなクリスティーン。くるくるの巻き毛、真っ直ぐの瞳、やわらかそうなほっぺ、決して高級ではないけどセンスの良い洋服、生意気な口調ににじむユーモア。全てが愛らしい! 将来有望…イエス、その通りでした。
1959年当時の本や書店を巡る環境も必見。とびきり重そうな木のコンテナに、木くずのクッションで本が運搬されてきますが、そこから出てくる本の装幀のひとつひとつの美しいこと! フローレンスが「小さな書店」ゆえに悩む、本の絶妙なセレクトにもにやりとさせられます。
1959年という時代背景もあって「頑張る女性が夢を実現」といった甘い展開は難しく…とはいえ、それから約60年が経った「今」をチラ見させるラストには思わず震えました。
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マールイ・ミールは明日から5月6日(月・祝)まで通常営業いたします。ゴールデンウィーク、「小さな雑貨店」にぜひ遊びにお越しください。