
おとぎの国のようなベルニサージュの外観
モスクワに足を運んだなら、必ず訪れたい場所がベルニサージュ。世界中からやってくる観光客で溢れ、土日になるとお祭り状態になって賑わいます。普段はモスクワで99%聞くことがない日本語がふと耳に飛び込んでくるのもここで、手頃なお土産選びに最適なスポットとして、日本でもかなり認知されていることが分かります。
最寄りは地下鉄パルチザンスカヤ駅。駅を出たら、たいていの人がここに向かうので、人の流れについていけば初心者でも簡単にたどり着くことができます。それになんといっても、遠くからでも目立つ外観! まるでおとぎの国のテーマパークのようです。
ここではマトリョーシカをはじめとする民芸品を、地方の産地から直接運んできていて、時には作家さん自身が販売をしています。
そんな民芸品を筆頭に、マグネットやキーホルダーなどの手頃なお土産品、いかにも「ロシアっぽい」毛皮の帽子などの店が並び、活気に溢れています。

基本的に屋外。真冬でもやっています

ちなみに、ロシア人には「観光客からぼったくってやろう」という感覚がないのでご安心を。たまに押しが強く強引にセールスしている人もいますが、たくさん買ったらサービスしてくれたり、おまけをプレゼントしてくれたりもして、かなりおおらか。
激増しているアジア系の人たちが、大挙してひとつの店に押し寄せ「ディスカウント!ディスカウント!」と詰め寄っている姿を最近よく見かけます。そういう文化の人たちだということは理解できるのですが、もとより良心的な価格だし、一生懸命作ったマトリョーシカを安くしろだなんて…困惑顔の売り子さんが気の毒になります。
屋内で「お店」らしく営んでいるところはカードが使えますが、ベルニサージュは基本的に現金商売。お土産の予算を決めたら、事前に現金を用意しておきましょう。街のなかのあちこちにありすぎるキャッシングディスペンサーですが、なぜかベルニサージュにはありません(もしかして隠れた場所にあるのかしら)。すぐに現金を切らす私は、何度も近くのホテルロビーまで足を運ぶはめになります。
基本的に治安は悪くないのですが、世界中から様々な人が集まっているので、念のために財布にはご注意を。私は幸い、これまで一度も盗難や紛失にあったことはありませんが、ひとつの店でたくさんの買い物をしたあとで、買ったものの収納に夢中になるあまり、店のおばちゃんに「先に財布をしまいなさい」と注意されたりします(ロシア語ができなくても身振りでわかる)。ロシアの人たちは親切なので(時におせっかい)、困ったことがあればたいてい救いの手をさしのべてくれます。
<英語のこと>でも書きましたが、商品の値段なら英語でも教えてもらえます。私は間違いのないよう「書いて」とノートとペンを差し出したりしますが、電卓をたたいてこちらに見せてくれる人も多いです。

興味がない私は素通りですが、こういう店もあります。お好きな方にはたまらないはず

屋外で絵画を売っている…
商品が雪に埋もれてもやっている蚤の市。ど根性!1日ではゆっくりと全部を見て回れないほど広く、アンティークを売る店や「誰が買うの?」みたいなガラクタも並べられている蚤の市もあります。複製やオリジナルの絵画を販売するスペースが野外に展開されている様子も、ちょっと不思議な感覚。

イベント広場の中欧に、ちゃんとした教会があります
昔のお仕事を体験する、ちいさな鍛冶やさん広いイベントスペースもあって、土日には子どものためのワークショップ、昔懐かしいゲームやお遊戯なども繰り広げられます。参加しなくても、ロシアの子どもたちが無邪気に遊んでいる様子を見ているだけで楽しめます。
カフェやキオスク、もうもうと煙をあげる串焼き屋台などもフード類も充実。トイレは有料ですが、清潔に掃除されていて快適に使えます。寒い時期には暖房がきいて、ほっとさせてもらえます。

「まんまるパン」という名のカフェ